中低音域の重要性

実を言うと、1〜2年ほど前から

発声関連器官のどこかに音声障害を抱えている。

原因はまだ突き止まっていない。

 

最終的に完治するかどうかも分からない。

ただ一つ、声帯の問題でないことだけは判明している。

 

トラブルを抱えてみて初めて分かったのは、

中音域の基盤の重要性。

 

これは歌を専門にしている人にしか

正直理解できないことかもしれないけれど、

歌唱の説得力を本当の意味で支えているのは

この音域なんだということを痛感した。

 

多くの聴衆も歌い手自身も

往々にして伸びやかで迫力のある高音や

透き通った声質のミドルボイス(ミックスボイス)に

分かりやすく心動かされやすい。

 

でも実はそれも含め盤石に支えるのは

安定して息と声をバランスよく最大限柔軟に

コントロールする力をもつ中低音域のコンディション

これを保持できているかが鍵になる。

※とりわけ中音域が重要だと仮説を立てている※

 

故障してみなければこんなことは

分かりようがなかったし、

聴く側にとっては声は出ているわけなので

不具合があるとはまず思われない。

 

でも実際には決定的な致命傷が潜んでいる。

それは、「説得力」というファクター。

 

これはどんなジャンル・スタイルの歌い手にとっても

地味に見えてかなり手痛過ぎるハンディだろう。

 

高音域を鍛えるのは実は比較的簡単で、

誰でもある程度は一定以上の結果にもっていける。

一方、中低音は時間も要する上に変化が自身にも他人にも

見えづらいため、モチベーションにつながりにくい。

 

これまで声帯や筋バランスにしか注視してなかったけれど、

それ以上に息とのバランスがどれだけ重要か。

それによって形成される盤石な基礎は

中低音域だということを身を以て思い知るという

貴重な経験をしている。

 

この経験を未来に還元していこう。