escape

何度報道されてもまた起きる、

いじめを苦にした少年少女の自殺問題。

 

いかなる背景があったにせよ、

大前提としていじめた側に責任はある。

教師を含めた大人の対応の問題もある。

 

でも、一番はまだ未熟で視野の狭い

10代前半の少年少女に

 

「学校が世界のすべてじゃない」

 

ということを愛をもって

周りの大人が教えてあげること。

 

学校でならう程度の勉強なんて家でもできる。

友達だって外の地域に飛び出せば見つかる。

それまで悩み苦しんでた昨日までの自分の日々が

何だったんだろうと思うくらい、

世界は簡単に変わるもの。

 

ふるさとで過ごした私の10代は

とても生きづらい時間だった。

 

今でも本当に救われたと思うのは、

同級生との軋轢が行き過ぎた中2の三学期、

両親が私にこう言ってくれたこと。

 

「学校なんか行かなくていい」

 

振り返れば、先生方も色々と状況を配慮し、

協力してくださった。

だから私はラッキーだったと思う。

 

いじめ問題は必ずしも私のケースのように

学校側の配慮や協力を得られない場合も多い。

だから家族だけが唯一の味方になる。

 

その家族に「頑張って学校に行け」と

言われることはまだ視野の狭い子どもにとって

「死ね」と言われてるのと同じなんだ。

 

卒業式の後、彼女たちは私に謝りに来た。

そしてこう言った。

 

「もう本当はやめたかった。

でも他の子の手前、やめられなかった」

 

と。

 

受けた心の傷は一生消えないだろうけど、

今いる環境じゃなくても人生は続けられる。

生きることは楽じゃないことのほうが多い。

でも時々ね、うんと嬉しいことや幸せだと

思えることに出逢えたりもする素敵なものだ。

 

それを知らないで死ぬなんて、

もったいないよ。

 

だから、いじめに苦しむ子を持つ親には

 

「学校が世界のすべてじゃない」

 

ということを愛をもって教えてあげてほしい、

いつもこういう報道を目にするたび、

心痛めながら思っている。