裏方病

慣れというのは実に恐ろしいですね。

 

長年、表に出ない立場で仕事していると、知らないうちにすっかりそっちの習性に染まってしまって、違和感もストレスもさほど感じなくなってた自分に、最近ようやく気づきました。

 

言ってみれば、「裏方病」みたいなもの。

 

仕事って、職種にもよるけれど、それぞれに役割ってものがありますね。

 

色んな役割の人々が集まることで、制作とか舞台とか、番組とか何らかの作品が出来たり、あるいは一般企業でもプロジェクトとか部署が総じて事なく運営されたりするわけなんですけど・・・

 

舞台に立つ人、とりわけ真ん中に立って演じる人のために、その他の人たちは最大限を尽くして仕事し、その真ん中に立つ「誰かさん」のやりたいことをできるかぎり実現するのがそもそもの役目。

 

絶対無理だよって思われてたかもしれないし、自分でも絶対無理って思ってたのに、思いのほかそっちの役割を果たす適性があったようで、その立場で仕事することがけっして居心地悪くもなかったんですね、私(笑)

 

その感覚で生きることが、ある意味自分のスタンダードになりつつあったのですけど、フロントクリエイターとしてはやっぱりそれではよろしくないだろうと。

 

以前、何かの番組で俳優の坂上忍さんがこんな感じことをお話されてました。

 

「僕は自分の作品では演者はできないし、演者に入るなら他人の作品じゃないと絶対に無理」

 

いろいろ自問自答してみたけれど、私も坂上さんと同じように両立は基本的に無理なタイプだと思います。

 

少なくとも、表の役割を果たす立場である瞬間の自分は、もっと”物分かり良く”なくていいんだと、或る方と最近お話していて、ふと自覚したんですね。

 

これは多分、歌ってきて、初めてのことかもしれません。

 

両方の立場を経験してきたからこそ、一周廻って初めて、【自分ゴト】として認知できた瞬間。

若い頃はこれを無意識にやってたなとその時、昔の自分を振り返って思いました。

 

そして、私自身のスタンスがはっきりしたら、いろんなことがクリアになりました。

 

もっと早く気づければよかったけど、今このタイミングであることにもそもそも意味があるのでしょう。

 

『教える者は学ぶ者の準備が整った時現れる』

 

私の数少ない愛読書にも、そういえばこんなことが書かれてました。

 

文字どおり、”我が人生、歌とともに在り”

 

何かが大きな一つのフェーズに入ったのかもしれません。

 

物語のつづきは、これからのお楽しみ。