告白

この15年近く、世を忍ぶ仮の姿の自分を演じて生きて来た。

 

これからもその顔が完全になくなるわけでもなければ、なくすつもりもない。

 

だけど、これからは一つずつ本当の自分に戻っていこうと思っている。少しずつその作業を意識しながら、取り組みながら過ごす日々。

 

一ヶ月以上経ち、そろそろ色んな現象が起き始めている。

 

なにより、私自身が生きることを自分史上最高に楽しんでいる。

 

他人の目には私の何かが変わって、どこか別の人になったようにも見えるかもしれない。

 

でもそれは勘違い。

あなたが見ていた私のほうが仮の姿なのだから。

 

私はずっと、その仮の姿をさも本当の私自身のような顔して、とくにこの10年ほどの間、暮らしてた。

 

おかげである程度のものも手に入ったし、いくつか夢も叶った。

だからずっとこのままでも別にいいやと思ってた時期もある。

 

でもそれは、自分に嘘をつき続けながらこれが正義だと疑いなく思わせることを意味していた。

 

思い込ませるのではなく、完全に思考を書き換える。そうやって私自身が意図的に造り出したもう一人の仮の姿の私を、ずっと別のどこかから見てきた。

 

自分のことなのに他人のことのようで、でもやっぱり自分のことなんだといつも不思議な感覚だった。

 

もともと、どちらかといえば不器用なタイプのはずの私がずいぶん器用なことやってたものだなと思う。

 

自分の意志で自分の人格を真逆に振り切るなんて、たぶん誰にでもはできないだろう。

 

それくらい、生きることに切迫していたのかな。昔の私は。少なくとも、ただ自分のまま生きるには難しいことが多過ぎたんだろう。

 

本当の私に戻っていくけど、元の自分に戻るのではない。自分の手で造り出した「もう一つの生き方」も実はそんなに嫌いじゃない。

 

その存在に助けられ、おかげで今もこの世界にちゃんと生きていられてるんだと思っているから。

 

同じことをやっていても、心の在り方が変わればこれまで以上にもっと世界は楽しくなる。目の前にあるものはすべて、本当は誰のせいでもない。

 

自分でさえ気づいてないことも含めた、心の映し鏡なんだ。