大切な君へ

 

君が何月何日に生まれたのかは分からないけれど、あの大きな地震があった年の今ごろ、静岡県のどこかで生まれたってことだけは知ってる。

 

2年ちょっと前のある日、突然始まった闘病生活。

 

その時は2年後の今も君といっしょに居られるか誰にも分からなかった。

 

君のためにできることを極限までやりきろうと決め2年が経ち、病気に打ち勝てたかもと思い始めていた矢先。

 

今年に入って、新たな病気が始まってしまった。

 

前回と違って見た目にも明らかな障害が残る病気。

 

君のことが不憫で、なんとか少しでも以前に近い姿に戻ることができないか、そう願い続けていた。

 

その願いが完全に叶うことはもしかしたら、ないかもしれない。

 

でも小さな小さなその体で、病と闘い続けている君の存在が、ほんとうに大切で、ほんとうに誇らしい。

 

介護という日常生活の中では、君にとって心地よくないことをしなければならない時もある。

 

でも、そうやって毎日君とふれ合いながら、時々思うんだよ。

 

もし病気をしてなかったら、こんなにも君と毎日ふれ合うことはなかったんじゃないかと。

 

けっして楽な日々ではない。

 

ふと気づくと、思っている以上に疲れを溜めてしまってる日もある。

 

それでも君が今日、できるだけ気分良くそこにいてくれるなら、それでいい。

 

そしてもし願いが叶うなら、ほんのわずかでも、君の体がその不自由さから解き放たれますように。

 

大切な君へ。

 

生まれてきてくれて、ありがとう。

 

愛兎チャコール7歳の誕生日に捧ぐ。

 

※写真は2017年7月時点のものです※