Output

 

先月、年明けぶりに里帰りしてきました。

出発当日、実家方面は台風の影響でほぼ全線運休か見合せ、

その情報をなんと新幹線降車直前に知るというアクシデント(苦笑)

 

右往左往ありましたが、結局その日の夜は

実家には帰り着けず、出先で急きょホテル泊となりました。

翌日も台風がまだ停滞しているということで、

 

殆どろくに睡眠もとれてない状態でしたが早朝にホテルを出発。

もと来た路線を戻り、地元へ向かう在来線を目指す旅となりました。

 

移動の車中からぼんやりと、

いつもの東京とは違う風景を眺めながら、

もうこの何年も、平常、J-POPやアイドルグループの楽曲制作に

携わる生活を続ける中で、基本的に一様化した行動パターンを

ずっと続けて生きていたことに、ふと気づかされました。

 

自分自身がそろそろまた変化を求める時期に

入って来ていること自体は強く感じていたけれど、

そこから何かを新たに生み出す動機がなかなか見いだせず、

本能の中枢だけで発進しようとしていたように感じました。

 

一歩踏み出すには蓄積された大きなエネルギーが必要。

自分の中から生まれるエネルギーでまかなえる場合もあるけど、

クリエイティブに関わる人にとって、その多くは自分の目や耳、肌で

見たり聴いたり感じた新しい刺激によるものが大半なのではないかと思います。

 

その刺激というのを何かの作品、たとえば映画とか、書籍とか、

他のアーティストや作家の楽曲の中に見いだされる場合もあるけど、

それは結果的にマーケットリサーチに過ぎない場合も多い。

もちろんいいインスピレーションを得ることも稀にあるけどね。

 

当然ながら、商業音楽を作る上では、

毎度刺激がなければ生み出せないのもそれはそれで問題で、

常に一定の生産能力を保持している必要があります。

 

ただ、とはいえ人が行うことなので、

やはりある程度定期的なメンテナンスがないと、

そのうちエネルギーが不足し始め、やがては止まってしまう。

 

それは油を注すと自転車が快適に走れるのと同じことで、

自転車本体をカスタマイズしたり、何年かに一度は買い替えたり、

そもそも「どういう自転車を運転するのか?」も根本的な

重要課題ではあるのだけど、今乗ってるこの自転車をより快活かつ

最大限走らせるためには、時々油を注してあげることが必要ということ。

つまり、Outputのエネルギーサイクル。

 

それで、道中の私の脳内に何が起こったかというと、

所要時間約10分で新しく丸1作、宿題の歌詞のメインパートが2作分。

それだけ多くの刺激がこのアクシデントによってもたらされた、

ということだと文字通り、痛感したわけですね。

 

あまりにも予定の立たない展開はけっこうストレスフルなので、

そうそうあってくれても困るけれど、もし数値化できるならば、

これに近いような値の新たな外的刺激を受けることで自転車に油が注がれ、

アウトプットが加速するということ、なんだなと。

そんなことをつらつらと思いながら故郷に帰り着きました。

 

今回は初日も一応含めると一週間以上の滞在。

特に体調面も問題なく、もちろんちょいちょい仕事はしながらも、

基本的には実家で只々のんびり過ごした時間となりました。

 

一つだけ、ある衝撃的な発見がありまして、

それは追々時間をかけて解決していこうと思ってますが、

それも含めて、いろんな動機が生まれた旅になったと思います。

 

そして、気づけば2016年も残り3ヶ月を切りました。

昨年の今ごろと比べるとずいぶん人間らしい日々を送ってます。

 

ようやく色々な準備に取り組める状態になったので、

最近はずっとご無沙汰だった各方面の皆さまに久しぶりのご連絡を

させて頂いたりして、それぞれにまた止まったままの時計が

動き始めたりもしているところです。

 

予定の可能性はあれこれありますが、年内はもっぱら慣らし運転。

当面はリハビリも必要なので、少しずつギアを変えていけたらと(笑)

 

着実に進んでいますので、気長にお待ちくださいませ。